介護施設 運営上のチェック項目

コンサルティングをする上で、以下の項目と方針に沿って、依頼者の相談を解決していきます。

目次

・人員不足

安易な採用よりも、組織風土に合った採用を。
人間的な素養重視。→「素直・優しい」など。
介護技術は教えていく。→素養を軽視し、安易なスキル・経験値採用は結果的にマネジメントが大変となり高くつく。

・詰め込み過ぎない

特に接遇面。そういったサービス業の心得があるということを知っておく・知らせることは良いが、それを全て現場スタッフに落とし込もうとしないこと。→実行できる3つ位のことを徹底させること(さん呼称、ですます言葉、あいさつははっきりと等)。

・地産地消

介護施設は「地元の就業者」が「地元のお客様」をサービスする方がうまくいく。なぜなら日本は市を跨ぐだけで食文化などが変容するから。フランチャイズで多店舗展開する仕組みは向いていない。せいぜい3県程度に跨ぐ方が上手くいく。

・文化を作る

介護保険で運用している以上、理念は介護保険法に記されているため、拘る必要はない。それよりも、組織として具体的に大事にしていること・忌み嫌っていることを打ち出していく。(外出要望は必ず叶える、人の悪口を言うことは許さないなど)

・国の政策を盲目的に信じない

介護保険という仕組み上、国の政策方針を無視することはできない。しかし、これを盲目的に信じることは危険。「国が言っているから正しい」という視点でサービスを作り込むと、目の前のお客様を置き去りにしかねない。目の前のお客様のニーズが第一で、それを果たす上で国の政策方針に沿うような形にする。

・人件費は節約しない

介護業界は労働集約型でサービスをする以上、人件費が最も高くなる。なので、この高さをどうにかしようと施策しがちだが、これを節約してはいけない。なぜならモチベーションが下がるから。特にスタッフに直に関わるお金(=給与・賞与・交通費など)は節約せず、一定の配分ルールを明確にし、スタッフにも示すことが望ましい。

・集客

地産地消であるので、地元の紹介で集客できる形を目指す。紹介会社経由は提示の最低の値段で行う。地元病院のSWや居宅CMなどネットワークを時間をかけて構築する。まずは「✖️✖️さんのいる◯◯ホーム」を目指す。

・スタッフ同士のトラブル

チーム連携で仕事をする以上、必ず起きる。小さな芽で片付けていく。トラブルの元となる要因について対応をしていくことを意識する。付け焼き刃的対処療法ではトラブルは繰り返され、助長する。

・書類作業(役所関係)の多さ

役所と仕事をする以上、紙ベースでの管理を行う。また、エクセル・ワードについては雛形ダウンロードがあるため、ある程度操作できるようになっておくこと。(役所のIT化は、ITゼネコン保護など国策に関わってくることなので、期待しない方が良い。)

・勤務時間とシフト(子育てシフト・夜勤専門)

労働集約型のため、偏るとシフトが回らない可能性がある。現場に入れるスタッフをいかに確保するか?(=施設内の兼任業務の構築)が大切になる。また、これらを調整し易くするために、働く場所は2カ所以上を用意する(=単一事業所(働く場所1カ所)は、これらの調整が非常に難しくなる。)

・6人ワンチームを目指す(仕事量の平準化)

施設内のケア作業はチーム作業となる。労働集約型である以上、チームがどれくらいの作業ができるのか?を考え作り上げる必要がある。基準となるベース業務を「6人チーム」で行うように設計すること。ベース業務仕事量を100として、6人だと一人当たり16.6の仕事量となる。これが5人だと20となり、差は3.4となる。5人が4人となると、差が5となる。アイスホッケーは1チーム6人でペナルティだと1人退場し5人で戦うことになるが、どうにか形にはなる。しかし3on3のバスケで1人抜けて2人で対応となると相当苦しい試合展開が予想される。人が耐えられる負担の差は「3.4」ということを意識し組み立てる。

虐待のリスクヘッジ

採用段階から予防線を張る。「性善説」ではなく「性悪説」前提で予防する。共有部のカメラ設置や抜き打ちチェックなど。

・スタッフ管理

確たる証拠がある上で動く。噂話や「誰かがそう言っていた」で本人に対し動かないこと。管理者やリーダーはフラットな視点を大事にすること。何かを判断する時には、特定のバイアスがかかっていないか?を常に気にすること。

・利益の確保

介護保険という売上の蓋がある以上、「保険内業務」で売上を伸ばすことは難しい。原則、目処のつく利益内で運営すること。それ以上の利益を求めるのであれば、保険外業務=「プレミアムな体験」を提供サービスに位置付ける。特殊な外出支援など。

・家族対応

「伝えないリスク」の大きさを認識する。「伝えるリスク」は修正が可能で、結果的にリスクが小さい。

*「理想論」よりも「現実論」を、「100点満点を目指す」よりも「70〜80点の維持」を大事にしています。まずはお気軽にご相談下さい。

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